1.転職活動でなぜ自己分析が必要?
転職活動は大きな人生の岐路の一つ。
もし転職を行うのであれば、少しでも今の現状よりよい環境にいきたいと思う方がほとんどではないでしょうか。
大きな不満等があれば、思わずすぐにでも転職し、環境を変えたいという気持ちになる方も多いと思います。
しかし、幸せな転職をするためには、自分自身が何を仕事において大切にしているのか?
何に今不満に思っており、何が満たされれば幸せに働くことができるのか?といった
自身の価値観や強みを知る「自己分析」を行わずして、転職を行ってしまうと、同じように不満やもやもやを抱えた転職になりかねません。
幸せな転職実現に必須の「自己分析」のポイントをまとめましたので、ぜひ
転職活動中の方や、転職するかどうか悩まれている方は参考にしていただければと思います。
2.自己分析の具体的なやり方
2-1.方法1.現状整理
転職活動における自己分析のまず最初の一歩として大切なことは「現状整理」です。
どうしても転職活動にあたって自己分析をしようと意気込むと「理想」や「自身の強み整理」から始める方が多いのですが、まずは転職を検討し始めている「今」の気持ちを整理することが何より大切です。
なぜなから今の気持ちの整理を行わなければ、今のもやもやした気持ちを再び抱えたり
今叶えたい希望を実現することができる転職先を見つけることができない可能性が高くなってしまうためです。
そのため、転職活動を視野にいれて自己分析を行う際にはまず一呼吸おき「現状整理」をすることから始めてみましょう。
では具体的に「現状整理」の方法をお伝えします。
Step1 現在転職を検討している理由となっていることを書き出す。
まずは今の気持ちをすべて出し切ってみましょう。
紙に書いてみるでもいいですし、だれかに話を聞いてもらってもいいかもしれません。
Step2 Step1で書き出した転職検討理由を「衛生要因」と「動機付け要因」に分けて整理する。
「衛生要因」=仕事の「不満足」に関わる要因です。
具体的には、「会社の方針や職場環境」、「給与」、「対人関係」
などが挙げられます。
これらの要因が不十分と感じられると、仕事の不満足に繋がります。
たとえば、昇給し、給与への不満を満たしたとしても、
満足感につながるわけではないという点がポイントです。
ご自身の中で、不満につながっているものの、満たされたとしても「マイナスがゼロになる要素は何か?」をピックアップしてみましょう。
「動機付け要因」=仕事の「満足」に関わる要因です。
具体的には、「達成すること」や「承認されること」、「責任の拡大」、「昇進」「仕事でのやりがい」などです。これらが満たされると仕事に満足感を覚える要因です。
たとえば、強みをいかすことができる仕事につくことで
仕事に満足感を感じるなどです。
ご自身の中で、これを満たされたらより充実感や達成感をもって仕事につながりそうだと感じる
「ゼロからプラスにつながる要素は何か?」をピックアップしてみましょう。
Step3 Step2で整理した「衛生要因」「動機付け要因」それぞれに優先順位をつける。
Step2で書き出した衛生要因と動機付け要因の項目それぞれに、今回の転職検討につながっている優先順位をつけてみましょう。
すべての不満が解決し、すべての希望が叶う転職はなかなか現実的には難しいことが多いです。
そのため、ご自身の中で転職をするのであれば「この不満だけは絶対に解消したい!」「この希望だけは大切にしたい!」という優先度高く、解決したい若しくは叶えたいことを整理してみましょう。
2-2.方法2.価値観の整理
現状整理をすることができれば、次は「価値観の整理」をすることが大切です。
価値観とは、人生や仕事において大切にしたい中長期の方向性を指します。
価値観を整理することが、転職における自己分析において大切な理由は、
「短期的なモチベーションでの決断・判断を防ぎ、充実感をもって働き続けるため」です。
転職は言わずもがなですが、転職後長く働く可能性が高く、一時的な不満が解消されたり、希望がかなえられたとしても中長期で自身が大切にしたい価値観にあっていないと、後々不満やもどかしさに繋がりかねません。
そのため、人生の大きな転機である転職前に一度、自身の価値観を見直してみることを強くお勧めいたします。
では具体的に「価値観整理」の方法のヒントをお伝えします。
・ 人生の大きな決断を振り返り、その決断理由の共通点を探る
人生の決断には、自身の価値観が浮き彫りになっていることが多いです。
自身が決断にあたって「何を絶って」「何を得る」決断をしていたのかを振り返り
自身が大切にしている可能性が高い価値観を探ってみましょう。
・ 尊敬する方や好きな方をピックアップし、尊敬する理由や好きな理由の共通点を探る
尊敬する方や好きな方は自身が大切にしたい価値観を体現されている方を自然と挙げる方が多くいらっしゃいます。
尊敬する理由や好きな理由の共通点を見つけ、価値観を見つけるヒントにしていただければと思います。
2-3.方法3.目標の整理
大切にしたい価値観が見えてきたら、次に目標の整理です。
ここでの目標とは、「転職を叶えた先にどのような未来を目指しているのか」を指します。
では、具体的に「目標の整理」の方法をお伝えします。
Step1 転職をした先に叶えたいことを書き出す。
転職を実現した先に叶えたいことを書き出してみましょう。
ここで注意しておきたいことは、
2-1でご紹介させていただいた「衛生要因」を解決するだけのものになっていないか?ということです。
復習になりますが「衛生要因」=仕事の「不満足」に関わる要因です。
衛生要因は満たされたとしても「マイナスがゼロになる要素」であるため、不満を解消するだけでは
仕事で充実感や達成感を感じる未来を叶え難い可能性が高いです。
Step2 Step1で書き出した「叶えたいこと」に優先順位をつける。
次に優先順位をつけます。その上で最大5つのこれだけは優先度高く叶えたい条件をピックアップしましょう。
すべてを叶えることは現実的に難しい可能性が高く、結果的に転職タイミングや良いご縁を逃してしまうことにつながりかねません。
自身の価値観に照らし合わせたり、ご家族や自身の生活も踏まえて慎重に優先順位を吟味しましょう。
2-4.方法4.強みの把握
最後に現状と目標のギャップを埋めるための「自身の強み(=武器)」を整理しましょう。
転職活動における強みは大きく2種類です。
1:職務上で必要とされる「専門的な知識・経験」
2:どの業界・職種でも汎用性が高く活用できる「ポータブルスキル」(コミュニケーション力・論理的思考力・セルフコントロール力などが含まれます)
ご年齢を重ねれば重ねるほど、1の専門的な知見が求められやすく、ご年齢が若ければ若いほど、2の「ポータブルスキル」が求められます。
目標を叶えるためにどのような「専門的な知見」や「ポータブルスキル」が求められているのかを知るためにはご自身にあった転職エージェントのキャリアアドバイザーに確認をすることで的確に知ることができることが多いのですが、ここではご自身で強みを把握することができるヒントをお伝えします。
専門知識は個別性が高いため、今回は「ポータブルスキル」における強みの把握について取り上げさせていただきます。
Step1 成果が出たエピソード2つ取り上げ、成功要因を振り返ってみましょう。
「成果が出た」とは決してMVPを取得したなどの受賞歴を持つことだけを指すのではなく
「社内やお客様からありがたがられた経験」や「周囲よりも少し上手くできた」といったことも成果が出たエピソードとして捉えていただければと思います。
振り返り方としては、
・どのような状況で?
・どのような課題や問題がある中で?
・どのような行動を起こしたのか?
・結果どのような成果につなげることができたのか?
を振り返りの観点として参考にしていただければと思います。
Step2 Step1で取り上げた2つの成果が出たエピソードに共通している成功要因を探してみましょう。
3.自己分析を行う際の気をつけたいこと
3-1.自己分析ででたネガティブな結果を悪く捉えすぎない
自己分析を行っていると、どうしても自身の「弱み」や「できないこと」に目を向けてしまうこともあるかも知れません。そういう時こそ自己分析の本来の目的に立ち返り、「弱み」や「できないこと」を見方を変えて捉えなおすことがとても大切です。
転職活動における自己分析の目的は「自身を正しく認知し、より未来の自分が幸せになることができる転職先に出会うため」です。
そのため、自己分析で出た「弱み」も違う見方をすれば「強み」になる可能性があります。
例えば「慎重すぎる」という弱みが自己分析を通じて見えてきた場合は、確かにスピードが求められる仕事では「弱み」になるかも知れませんが
ミスをすることを極力避けなくてはいけない仕事では「強み」になります。
「弱み」「強み」と分類をするのではなく、自身の特徴を認識し、どのような場面だと自身の特徴を強みとして活用できるのかと発想を転換することで活躍できる職場と出会える可能性が広がるかもしれません。
以上のように、自己分析過程で自身の過去を振り返っていると、どうしても弱みに目がいってしまい落ち込んでしまう時もあるかも知れません。
そのような時こそ、ぜひ転職活動における自己分析の目的に立ち返り、捉え方を見直してみましょう。
3-2 転職活動を進めていく中で自己分析を深めていこう
自己分析は転職活動を始める前にももちろん行うべきものなのですが、転職活動を進めていく中で自己分析を深めていくことがとても重要です。
転職活動前に考えた自身が大切にしたい判断軸や強みはあくまでも仮説ととらえ
実際の転職活動での応募求人選択や面接を通じて検証していきましょう。
実際に、転職活動前では年収はそこまで優先度が高くないと考えていたとしても
いざ求人を選ぶ段階になった際に、自然と年収項目に注目して選び、年収が一定以上高い求人ばかりを選定していた場合は転職活動前は年収の優先度が高くないと認識していたものの、実は年収はご自身にとって優先度が高い条件だった可能性があります。
他にも転職活動前に「フラット社風」を求めていると考えいらっしゃった場合
複数の企業様との面接を通じて、社風を比較検討することで
求めている「フラットな社風」とはどのような社風なのかがより具体的にわかってくることもあります。
自己分析は転職活動を進めていく中でより深め、具体的にしていくものだ考え、取り組むことで
心から納得できる一社とのご縁が紡げる可能性が高まります。